4月は満員電車の季節だ。
学生たちの部活がない期間は、出勤時間帯に人が集中する。
新入生、新入社員、転入者…
ぎゅうぎゅうの満員電車には逃げ場がない。
匂いやら熱気やら圧迫感やらで辛くなって、わたしはスマホを取り出す。
(今日は横の男性がブツブツ言っていて怖かったので余計に)
Soundgardenをかける。
満員電車には、これが一番だ。
ロックやオルタナを、厄除けみたいに使っている。
ある意味、防御装置だ。
鎧を着けるようにロックを聴く。
そうやってわたしは自分を守ってきた。
押されて電車広告の前に立ったら、それは「居場所。」という本の広告だった。
その中の引用文に、不覚にも涙ぐんでしまった。
この人だけは自分のことを理解してくれる、という存在が心の奥にいたら、それがあなたの居場所です。だったかな。
そういう存在である友人と、彼女を紹介したときの父の反応を思い出した。
東京で一人暮らしするわたしを心配していた父は、「ああいう友達がいるなら大丈夫」と安心した様子で言った。
出会いは大事。
心の中にあるつながりを思いながら、満員電車でロッケンロールを聴く。