転換期

1日前倒しの日付で書こうとして、数字を入力して、20日が母の命日であることに気付いた。


急に母に会いたくなった。


夕方、突然の豪雨が降り、教室の前の道路に川ができていた。
幸い教室は2階なのでドアの隙間から入った雨水が溜まったくらいで済んだけど、道路沿いの1階にある店舗は浸水したようで、帰りに通ると水を掻き出す作業をしていた。


ちょうど教えていた生徒が、「小学4年生まで、雨が降るのは神様が泣いているからで、雷が鳴るのは神様が怒っているからだと思っていた」と言っていて、外の激しい雨と壮絶な稲光に続いて轟く雷を聞きながら、なんとなく私の心情と共鳴しているように思えた。


何かが動く前。
私の心は土砂降りになる。
一気に何かが溢れ出て、抑えきれなくなる。


浮上する前に深く潜るような、跳躍する前に低く屈伸するような、疾走する前に大きく一歩足を引くような、反動力を伴った、身体の隅々が疼くような感覚。


転換期の前はいつも、真っ暗闇に独りで立っているような状態になる。