今回の選挙

今回の選挙ほど、「行きたくない」と思った選挙はなかった。
なんのための選挙なのか。
問題をいろいろ起こして追求されたオヤジが、権威を振りかざして勝手にちゃぶ台をひっくり返したのに。
なぜ私たちはこんな茶番劇に巻き込まれているのか。


「今なら勝てるから」と議論そっちのけで解散し、数で勝ったら「全て承認された」という。
政治とはなんなのか、選挙とはなんなのか。
真剣に、アホらしくて棄権したくなる。


それでもなんとか選挙に行かなければ、投票という行為をしなければ、権利も義務も果たせない。
参加もしないで文句ばかり言う人間にはなりたくない。


なのに。
どこに入れればいいんだ?!
対抗馬として結成されたはずの党は、「リベラルは排除」とかいう意味不明の態度を示し、なにがしたいのかさっぱりわからない。
誰だったかが「小池氏は女性ではない。言動も行動も男性的だ。」と言っていたけど、その意味がわかった今回の選挙だった。
何が「希望」だ。どこに投票すればいいんだ?どこにも希望がないじゃないか。


ニュースで投票結果が流れる中、ツイッターを見ていた。
というのも、ニュースはただ結果を伝え、議席数だの誰が当選しただの言って報道しているが、情勢についての「意見」を「自由に」述べているのはツイッターくらいしかない。
そして、ある福島の人が書いたものを読んだ。
真剣に、怒っていた。「ふざけんなよ」と。
「できることなら誰にも1票を投じたくない。誰に対しても『支持』という感情になれないし、ぼくにとっては『よりマシな選択』すら存在しない。こんなクソ選挙、できるもんなら棄権したい。」と。
「ぼくだって政治に無関心ってわけじゃない。関心があって、1票に思いを託したいからこそ棄権したくなっちまうんだ。」と。


怒りの度合いは違うだろう。
わたしの怒りどころではない怒りを感じていたに違いない。
だけど、その理由は同じだったと思う。
「なんなんだこの選挙は。おかしいじゃないか。」


年代別の自民支持率のグラフを見た。
10代(18と19歳)、20代、70代以上で支持率が高かった。
担当する授業の中で政治の話をしたとき、「今のままで構わない」「別に変わらなくていい」という意見の生徒が多くてちょっと「え?」と思ったけど、本当にそうなんだと数字を見て思った。
なにがいいんだろう?どこを見て言っているんだろう?


自民党支持の若者のコメントの中に「景気が好調」「失業率低下」「就職内定率や求人倍率の向上」などを上げていたものがあった。
そんな、私たちベビーブーム世代の就職氷河期と比べた結果、「今はいい世の中だね」ってことに、なるの?
今の若者達って、そんなに恵まれているの?不安も不満も、ないの?


なにが起こっているんだろう?
わたしの心は、今朝通過していった台風くらい荒れている。
今回、わたしの住む武蔵野市の当選は、自民ではなく、菅さんだった。あの311のときにいた菅さんや枝野さんが新しい動きの中にあるということには、何か意味があるんだろうか。


誰だったかのツイッターに「自分をマイノリティーだと言ってはならない。ただ、その声がまだ少ないだけだ。」といった投稿があり、思い直した。
わたしはマイノリティーではない。
まだ、声が少ないだけだ。
その声が、まだ十分に届いてないだけなのだ。
黙っていてはいけない。
アホらしいと投げ出してしまっては、思う壺なのだ。


「自分1人の力では何も変わらない」という人がいる。
わたしは必ず「そんな人が1億人いるから、世の中が変わらないんだよ」と返す。
諦めたら、おしまいなのだ。


きっと今回のことで、そのことを心に刻んだ人が、他にもいるはずだ。
そう思った。