だいぶ前の転職面接の時に、
「今までキャリアを積まれてきたと思いますが…」
と言われたことがある。
私はその時、
「自分ではキャリアを積んできたとは思っていないのですが」
と答えたことを覚えている。
それは正直過ぎるくらい正直な気持ちだった。
私には、キャリアアップという意識がなかった。
ただ、
次はどうしよう、どこに行こう、何をしよう、
と考えていただけだった。
仕事をある程度続けると、大体のことが見えてくる。
１年後の自分、進歩の度合い。
「このままいくと停滞するな」と思うと、
私は次に行きたくなる。
そうやって、ただ動いてきた。
キャリアなんて、
アップしてるんだか、ダウンしてるんだか、
ちっとも分からなかった。
でも今は思う。
私は向上している。
だんだん何かの核心に近付いていると、
昨日思った。
増えていくばかりの職歴と、
目指すべき方向。
今までは接点が見えず、
ただ彷徨っている気分だった。
その一つ一つの点が繋がるという実感は、
点の数が少ないうちは、分からない。
点が増えて、
いろんな回路が繋がるようになって、
初めて自覚できる。
東京に出て、
派遣先を転々としながら、
自分のできることをしようと思って務めていた。
勤務地も東中野から始まり、
ついに東京の真ん中、霞ヶ関になった。
なんだか、派遣先の集大成のように思う。
それぞれのご縁に感謝しつつ、
これからも自分の役目を全うし、
何かに繋げていきたい。
