2〜3週間前、指が痛いので見てみたら、極小さなトゲが刺さったようで、その部分が腫れていたということがあった。トゲは小さすぎて取れそうもなかったので、そこまで痛くないし、放置することにした。
すっかりそんなことを忘れていた一昨日、ふと指を見たら、表面の皮膚が、赤黒い点を囲んで丸く盛り上がっていた。
あのときのトゲだ。
すっかり忘れていた。
そして、人間は蘇生するんだということを妙に実感した。
小さな小さな傷。
その痛みを忘れるくらいの、小さな傷。
それでも皮膚はそれを察知し、次の皮膚層から切り離し、修正して生まれ変わる。
つまんだら、きれいに剥がれた。
その下の層の真ん中には、極小さな点が残っている。
痛みはもうない。
人は蘇生する。
傷ついても傷ついても、中から外へと、細胞を押し上げながら、生まれ変わる。
人は蘇生する。
何度も何度も、生まれ変わり、次へ、その次へと、明日を目指している。
