カブトムシ

今朝、洗濯物を干そうとベランダに出たら、カブトムシの雌がひっくり返ってた。一瞬、もう死んでるのかなと思ったけど、触ってみると、足を動かしたので、手で起こしてあげた。
足をバタバタ動かしながら、懸命に手につかまるカブトムシ。じっと見てたら、口をしきりに手に擦り付けてる。
あぁ、お腹空いてるのね、と思ったけど、家にはエサらしいものはない。ちょっと考えて、黒砂糖のカラメルが残っていたのをあげてみた。
最初は口を動かしてたけど、そのうちストップ。やっぱりダメ?おいしくないの?と聞いてみたけど、返答なし。いや、当たり前なんだけど、身動き一つしないので、諦めて、またちょっと見つめてたんだけど、じっと手に置いておく訳にもいかないけど、引き剥がすのも可哀相だし…と悩む私。と、そこでベランダのプランター腐葉土を敷いていたのを思い出し、その上に置くことにした。
指に移動させて、土に置いて…。ごそごそごそごそ…。
よし。
しばらくして覗くと、頭を突っ込んで潜っていた。
ふんふん、取りあえず一安心。ちょっとはそこでリラックスできるかしら?

台風の影響を受け、強風で飛ばされたのか、羽の表面が傷だらけになって毛羽立っていた。
疲れて、お腹空いて、ひっくり返って。
しかもムンムンと暑い。

元気になってくれたらいいな、と思いながら出掛けた。


エサ、どうしようかな?死んでたらどうしよう?なんて考えながら家に帰って、一番にチェック。
…。

小さな穴を残して、カブトムシちゃんは去っていた。
森に帰ったのかな。無事に樹液にありつけたかな。

カブトムシ。
DNAなのか、うちの兄から始まり、甥っ子たちも、大のカブトムシ好き。
私も、なぜかカブトムシは好きだ。
あの円らな黒い瞳がたまらなく可愛い。ずっと手に乗せておこうかと思った。

でも、自然の中に帰れたのなら、それがいいや。

そんなこんなで今日はカブトムシちゃんをレスキューした訳だけど、なんだか私が救われたような気がした。


あれ?!
今、洗濯物を取り込もうとベランダに出たら、カブトムシちゃん再発見。別の場所でひっくり返ってました…。
また起こして、手に乗せて、また手のひらをはむはむはむはむ…。痛いってば。美味しそうに見えるの?私の手。
しばらくどうしようかと見つめ合ってたら、急に歩き回り始めた。腕を登る登る、痛い痛い…。
もうこれは木のところまで連れて行くしかない。
一番近かった隣りの家の柿の木に。
いいのかな?こんな木で。
でももう手を出しても戻っては来なかった。
いいんだね、そこで。

そして、上がって行きながら、オシッコした。

えっ!?オシッコしたかったの???


謎のカブトムシちゃんは、私の腕にひっかき傷を残して、木を登っていきました。
あとどれくらい生きられるのか分かんないけど、元気でな…。


2度あることは3度ある。

買い物の帰りに、気になって柿の木の辺りを見てみたら…。
やっぱり。
アスファルトの上で落ちた柿と押し合ってました。

はぁ。
今度は、もっと森っぽいとこに行こうね。小金井公園はちょっと遠いからなぁ。

結局、大通りから少し離れた、畑と木が植わっている所で、くぬぎかなんかの木に降ろした。
ちょっとヨロヨロ見えるんだけど、木を登って…。途中、細い枝がたくさん出ている所で立ち往生。
そこじゃないよ、右、右!
聞こえるはずもなく、立ち止まってたけど、もうキリがないので置いて帰ってきた。
まぁでもあそこなら、いいんじゃないかと思う。
今度こそ、じゃあねっ!!!