2歳のわたしになる

わたしの中で最強なのは、2歳のわたしだった。
切り取られた写真の中で、2歳のわたしは無敵な顔をして笑っている。


誰とも比べない、社会的な基準も制限も知らない、ただ純粋な「わたし」だけが存在する世界。
そんな2歳のわたしは最強だった。


間もなくして、周りの要求を知るようになる。
いい子になりなさい、可愛くて愛される女の子になりなさい、優秀でも決してしゃしゃり出ない子になりなさい、・・・・


そんな要求に合わせていれば、認められて、幸せでいられるんだと思おうとしていた。
わたしが頑張ればいい、わたしが我慢すればいい、そうすればとりあえずうまくいくんだ、・・・・


だけどずっと、諦めに似た感情の中にも、違和感が取り巻いていた。
本当にそうなんだろうか、本当にそれは正しいんだろうか。


結局、いい子になんてなれない。
わたしは嘘をつけない。
黒いものを白いとは言えない。


黒いものを白いとは言えないから、ずっと見ないようにしていた。
だけどもう、それも限界だ。


わたしは2歳のわたしを取り戻すことにした。
揺るぎのない自信が取り巻く世界。
他人の目に合わせて生きることなんて考えてもなかった。
あのわたしに戻ろう。
最強のわたしを取り戻そう。