透明感って、何だろう?
ずっと前、ゆうこりんとバンドメンバーを探していたとき、チラシに「スピッツのような透明感」と書いたら、ゆうこりんに「スピッツは爽やかすぎる」と言われたので、その部分を削除した。
そしてとりあえず合わせることになったメンバーと何かコピーをしようということになったとき、椎名林檎から1曲と言われ、わたしが選んだのは「正しい街」だった。
そして最近になって。
スピッツの草野さんが「正しい街」を歌っている曲がかかっている。
椎名林檎のトリビュートアルバムが出るらしいんだけど。
なんだかつながった気がした。
スピッツの透明感は、決して一つの濁りもない透明感ではないとわたしは思っている。
決して直線ではないまっすぐというか。
独特の透明感。
そしてこれまた最近、バンドの練習のために弾き語りバージョンの音源をアップしたら、ゆうこりんに「ともちんの作る曲の透明感が好き」と言われた。
透明感。
わたしの作る曲は「浄化」だと思う。
モヤモヤやドロドロに巻き込まれながらも、最終的には、流れる川のように、また透明で美しい水を循環させていたい。
だから、何も濁ったことのない透明感ではない。
濁りも汚れも存在した上での透明感。
それでも浄化しようとする透明感。
だから、ちょっとアンダーグラウンドな曲もある。
それも含めての、浄化。
どこか奥の方から湧き上がってくるような、透明な水のような。
「曲の透明感が好き」は、最高の褒め言葉だとわたしは思う。
そんなことを言ってくれるゆうこりんと、10年経って、また一緒に音楽をしている。