それでも前を向く

読み返していたらまた涙が出て来た。
悔しさなのか悲しさなのかわからない、この感情が消えることはないかもしれない。
起こったものは元には戻らない。
なかったことにはできない。
だから前を向くしかない。
この感情から立ち上がって、先に進むしかない。


事実、host fatherのことは昨日まで忘れていた。
消えることはなくても、忘れることはできる。


わたしがやっと言えたとき、host motherは「それを聞けてよかった」と言った。
彼女も長らく、彼に虐げられていた。
彼女は無能な人間だと、ずっと言われ続け、そういう気にさせられていた。
「これでやっと自分が正しかったと思える」と言っていた。
彼こそが弱くて卑怯な人間だったのだと。


ハラスメントをする人間は弱い。
相手を尊重できない、弱くて卑怯な人間なのだ。


こんなに簡単にセクハラができてしまうんだと、正直驚いた。
こんなに簡単に、相手を無理矢理自分の思うままにできてしまうんだと。
ほんの一瞬の隙だけで。
防御なんてできなかった。
3秒ぐらいして、やっと手が動いた。


どうすればよかったんだろうといつも思う。
もう殻に閉じこもって出て来たくない。
外の世界を遮断したい。
もう男性の近くに寄りたくない。
いつもそう思う。
わたしを汚す存在にしか見えなくなる。


だけど。
前を向いて生きていかなきゃいけない。
負の財産は捨てて、先へ進まなきゃいけない。
傷ついた羽を癒して、また飛んでいかなきゃいけない。