美しき同類

久しぶりの晴天。

朝日を浴びながら洗濯物を干して、支度して、駅までの道を歩きながら思った。

 

わたしはずっと、植物には勝てないと思っていた。

黙々と年輪を重ねる樹々や、健気に小さな蕾を付けては咲いて散ってゆく花を見ながら、その美しさには勝てないと思っていた。

ただ光を浴びて根を張り、そこから水を得られるだけで、その生命サイクルを保つ存在。

二酸化炭素を吸って、酸素を吐き出す生物。

何も汚さない、欲望もない、見栄も承認欲求もない、ただ純粋に、自分の生命を全うする存在。

その高潔さに、勝てないと思っていた。

 

だけど。

久しぶりの陽射しが眩しくて、嬉しくて、ひたすら光を目指して歩く自分が、そんな植物たちと何も変わらないような気がした。

晴れ渡る青い空と、澄んだ空気と、まっすぐに届く太陽の光に、心を躍らせながら向かって行く自分は、ひたすら伸びていく植物たちと、同じなのかもしれない。

ずっと勝てないと思っていたけど、実は同じなのかもしれない。

 

 

あの純粋な植物たちと同じなのだとしたら。

自分もあの美しさを、持っているのかもしれない。