こんな、小学生がきいてくる質問で長々と文章が書けてしまうのは、わたしくらいかもしれない。
先日(というか一昨日)、小学生の英語レッスンのときに、普段は生徒同士で尋ねている質問を、「じゃあ今日はわたしに質問してください。なんでもどうぞ」"Please ask me a question, anything is okay."と言ったら、確か小学4年生の男の子が、最初に手を挙げて言ったのだ。
"How old are you?"
ちなみにその子、今月受けた英検3級の筆記試験に合格している。
わたしからしたら、そんな簡単な質問しかできないレベルではない。
もちろん、人の言うことは理解していても「質問力」を発揮することはなかなか難しいことも、わかっている。
だがしかし、だ。
なぜその質問をするのだ。
大人の女性に向かって。
わたしは日本語であれ英語であれ、そういう質問をする子供ではなかった。
そんなことを大人に尋ねたことはない。
「この人、何歳くらいかな」と思ったり、大体の見当をつけることはあっても、口に出して相手に尋ねたことなど一度もない。
だけど、英語の先生をしていると、いや、先生じゃなくても、子供と接する中で「何歳?」とか"How old are you?"とか訊かれることが何度もあった。
ていうか、もう子供でもないのに訊いてくる人もいるよね。
この感覚って、なんなんだろうと思う。
わたしは毎回、「え?」と思ってしまう。
相手は子供なんだし、適当な数を言えばいいのかもしれない。
別に気にせず自分の年齢を言えばいいだけなのかもしれない。
でもわたしは反射的に「その質問、なに?」と思ってフリーズしてしまう。
大人の女性が何歳であるのか、相手に質問してまで知ろうとする理由はなんなんだろうか。
話の流れで自分から言ってきた場合を除いて、相手の年齢が明らかにされる必要はない、とわたしは思っているわけだけど、質問をする人(子供であれ大人であれ)はどういう理由があって相手に訊いているんだろう?
子供の場合、単純に数に興味があるということがあるだろう。
大人に年齢を尋ねることの失礼さを知らず、興味本意で訊いているのかもしれない。
そういう意味では、わたしはそういった数字にあまり興味を持ってこなかった。
ていうか、その人の年齢を知ったところで、得られる知識としての価値を見いだせない。
その人が何歳かわかったって、「ふーん」「そうなんだ」で終わってしまう情報であり、そこから何も広がらないし、膨らまない。
あと、相手が自分より年上なのか年下なのかを気にする人とかいるけど、わたしは相手の年齢が自分より上でも下でも基本的な配慮は変わらないと思っているから、やっぱりその情報は重要ではない。
(ちなみにいわゆるタメ口も年下かどうかが基準じゃなくて、関係性や親しさの問題だと思っている。)
だから、わたしにとっては「特に知る価値がない」。
ましてや、そんな知る価値のない質問で相手を不快にさせるかもしれないリスクを負うなんて、わざわざやらない。
そんなことを子供のときから思っていた子供(わたし)もどうなんだ、という話かもしれない。
子供であれ大人であれ、不躾な質問をする人を見ながら「なんだこの人は」と思っていた。
めんどくさい、分かりづらい子供だ。
ということで、わたしは相変わらず小学生を相手に、「え?何その質問?」と困惑し、「大人の女性にその質問しますか」と返し、「どういう意図で訊いているんだろう…」「え?わざと?」と混乱し、適当な数を言うことも実年齢を答えることもせず、「その質問以外で」と言って他の子の質問に移った。
子供だから適当に答える、ということもしたくない。
そんなわたしはある意味、「大人げない」んだろうな。
子供だから…とはならず、子供であってもガチで「んん?」と突っかかる。
子供だからって、大目に見ない。
その男の子は、どう思っただろう。
「大人の女性に年齢を尋ねるとヤバいぞ」と思ったかな(笑)。
それにしても、年齢を訊いてきたり年齢を気にしたりするのは女性(女の子)よりも男性(男の子)のほうが多い気がするのはなぜだろうな。
これもジェンダー問題と繋がっているんだろうか…
それとも、女性の年齢をチェックすることがDNAにでも刷り込まれているんだろうか…