いい映画というのは長く心に残る。
いろんな場面が鮮明に蘇ってくる。
ミッドナイトスワンが印象に残るのは、とても多面的に捉えられているからだと思う。
例えば育児放棄にしても、お金に困っているケースとお金が有り余っているケースの両方が描かれている。
どちらのほうが不幸かなんて言えない。
どちらも深く傷つくのは子供だ。
この映画が救いなのは、最終的に一果(いちか)が夢を叶えたことだと思う。
現実にこんな結果に辿り着けるのは、ほんの一握りだろう。
そんなことはわかっているけど、それでも希望を見たいと思う。
一果が「頼んでない」と怒るのを見て、すごくわかると思った。
それでも結果的にバレエを続けられたのは、凪沙(なぎさ)の応援と愛情があったからだと思う。
生死を分けているものなんて紙一重なんだなと思う。
希望を持ち続けられるということ。
「この子からバレエを取ったら何も残らないじゃない」という母親。
「バイバイ」という言葉を一果に残して、彼女は屋上から飛んでしまった。
少し前に知った、大宮エリーのこの動画とリンクする。
どうすれば子供たちを守れるんだろうと思う。
子供だけじゃない。
誰かが生きる希望を失いそうなとき、何をしてあげられるんだろう。
どうすればその手を掴めるんだろう。