全てを一緒くたにされて、インセンティブどころか罰則だけ与えられる

わたしは昔から不公平や不条理が嫌いだ。

前髪の長さやスカート丈を「何センチ」と規定されて、従わないと「悪」と規定する校則が大嫌いだった。

前髪が長かったら、生命の危機にでも陥るのか。

悪の組織にでも連れていかれるのか。

 

いや、逆でしょうに。

そんな「従順な」人間は、たやすく利用できる「人材」として狙われるに違いない。

 

とはいえ、権威と戦うことは容易ではない。

当時わたしが取った策は、

・表面的には反抗しない

・良い成績を取ってある程度黙らせる

というものだった。

いわゆる「勉強ができる、ちょっとだけ反抗的な態度の生徒」だった。

別にバンド活動をしたのは反抗のためではなくて音楽が好きだったからだけど、悪いことをしているというよりは「反抗」している気分だった。

勉強ができるからって「従順」だとか思うなよ、みたいな、斜め目線があった。

 

そう、「斜め目線」。

それは、上から抑え付けてくる権力に対する、斜め下からの「睨み」である。

 

 

成績を重視したのは、結局「知性」を習得しなければ相手を「黙らせる」ことができないと思ったからで、論破するためには知性が必要だと思ったからだ。

なんだかんだ、あの時代は競争社会で、受験が全ての基準だった。

だから「全てを理解した上で反抗している」という態度を示したかった。

 

勉強をして成績を上げることなんて、やればできる。

でも重要なのはそこじゃない、そんなことよりも大事なことがある、それは、自分が本気で好きだと思えることで、本気でやりたいと思えることだ、と。

 

教師を黙らせるツールとしてテストを利用したけど、別にそれだけが理由でもなかった。

自分がやったことの結果が出るのは面白かったし、順位を上げていく過程も、嫌いじゃなかった。

 

 

結局それは、「自分のため」だと思っていたし、それはやった人にしかわからないものだと思っていた。

 

 

そして、今。

同じことが起こっている、「国」とか「都」とかいうレベルで。

 

やっと取得したリフレッシュ休暇を消化して、帰省するつもりだった。

それを棒に振ってでも、「リスクを減らす」という行動を取って、キャンセルした。

「知性」とか「配慮」とか「責任感」とか、いろんなものを総動員して、わたしはリスクを回避しようと努力している。

それは自分のためで、家族のためで、強いては関わる全ての周りの人のためだ。

 

 

それなのに、投げかけられるメッセージといえば、「気が緩んでいる」「自粛ができてない」「このままではもっと厳しい措置を取るしかない」とかいう脅しだけ。

 

去年の4月からステイホームを強いられ、職を失い、市の補助金に助けられ、なんとか再就職を果たし、やっともらえた有給休暇を「自粛」でフイにされたわたしに、インセンティブどころか、非難をするのか??

 

何様のつもり??

その動かしている予算は、どこから集めたと?

不真面目な不良が風紀を乱しているから、全体を締め上げると??

知性も常識も責任感も持った人間は、置き去りか?

 

知性を侮辱するのもいい加減にしろよ。

そんなことで黙っちゃいないし、衰退もしないのが知性だ。

軽んじれば軽んじるほど、ただじゃ済まないのが知性だ。

そしてその知性とは、"Sensibility"だ。