フェミニストとはなんぞや

これはずっと思っていたことなんだけど。

世間の中での「フェミニスト」という言葉のイメージと実態は、ちょっと乖離があるんじゃないか、ということ。

 

「フェミニスト」というと、なんだか「女性の主張する権利」という部分がクローズアップされる。

それは間違ってはいないんだけど、それが全てでもない。

 

今でこそLGBTQということが認識されているけど、フェミニズムの背景には、「個の尊重」とか「多様性」とかいう問題があって、全ては繋がっているんだけど、それが長い間、歪んだ形で表されてきたように思う。

「多数派が少数派を抑えつける」みたいな風潮がどんどん加速していった結果、マイノリティの尊厳が踏みにじられていったということにマジョリティが無自覚であった、そんな負の遺産が、もうどうにもならないレベルにまできているのが現状だと思う。

 

「最大のマイノリティである女性」と表現されることも多い現在、女性が不条理に対して声をあげることは、結果的にマイノリティ全体を代表していることもある。

 

 

そこで「フェミニスト」という言葉の表すところに戻ると、「フェミニスト」はつまり、個の尊重や多様性を認めるという意思を持った人々であり、それは女性に限ったことではなく、誰にとっても生きやすい社会を目指そうとしている人々である、ということになる。

そう考えると、フェミニストを揶揄する人は、実は、自分たちを生きにくくする風潮を作ってしまっているけどそれに気づいていない人、ということになる。

 

女性やマイノリティーを抑えつけることで自分たちの立場を守ってきたつもりでも、そのことによって自分の尊厳も貶めているということ。

誰かを貶めることは、結局自分自身を貶めることにつながっているということ。

そこから目を逸らしたままで自分だけ幸せになることなんて到底成り立たないのに、どうにかして逃げ切ろうとする。

それがもう限界を迎えていることは、どんどん明白になってきている。

 

 

真理に辿り着いた人は、そうじゃない人から見ると「フェミニスト」なのかもしれない。

でもそれは、単に「女性を守ろう」としているのではなく、女性やマイノリティが受けている不条理を通して人類全体を守ろうとしている、そういう精神の表れなんだと思う。

全ての人を尊重したいからこそ、そこに対しての表明ができる、真の知性を持った人なんだとわたしは思う。